新生活が始まり、ようやく1か月がたとうとしています。
新しい部屋での生活にも慣れてきたころでしょうか。
ですが、部屋の広さを表すのに、いろいろな単位が使われていることが気になりませんでしたか?
「平米」だったり、「畳」だったり、「坪」だったり
これらはどれくらいの広さを表しているのでしょうか。
どうして部屋の広さの単位はバラバラなのか?
不動産の広告を見ていると、部屋の広さは㎡ (平方メートル)で表されていますよね。
1㎡は「1m×1m」の広さです。これは算数で習いましたね。
ですがその他にも、「平米」だったり「畳」だったり、あるいは「坪」という表記もよく目にします。
六畳一間なんて言葉が、狭い部屋を表現するのによく使われていたり、
反対に大豪邸になると、何百坪もの広さだなんていわれていたり。
どうして部屋の広さの単位はバラバラなのでしょうか。
それぞれの単位の実際の広さは?
まずそれぞれの実際の広さから紹介していくと、
1平米は1m×1mの広さです。つまり1平米は1㎡と同じということですね。
1畳は1.62㎡以上の広さを表します。
よく1畳というと、畳1枚分の広さといわれていますね。
ですが畳の大きさは実は地域ごとに違いがあって、その曖昧な部分が「以上」という言葉に合わられているのです。
例えば関東では
176cm(5尺8寸)×88cm(2尺9寸)≒1.55㎡
が畳1枚の広さです。「江戸間」や、5尺8寸の大きさから「五八間」と呼ばれています。
ですがこれが関西になると
191cm(6尺3寸)×95.5cm (3尺1寸5分)≒ 1.82㎡
が畳1枚分の広さになります。こちらは「京間」や「本間」と呼ばれていますね。
他の地域もいろいろと細かい違いがあって、大きさを定義づけるのが難しいのです。
なのでもっとも平均的な180cm(6尺)×90cm(3尺)=1.62㎡を基準としています。
そして1坪の広さは約3.3㎡とされています。
本来、1坪は2畳分の広さを表す単位として使われているのですが、1畳の大きさが地域によって異なるため、こちらにも「約」がつけられています。
とはいえ、2畳=1坪と覚えておけば、混乱することも少なくなるでしょう。
どうしていろいろな単位が存在するのか
では、どうしてこんなにいろいろな単位が出てくるのでしょうか。
実際のところ、現在の不動産広告では㎡で表記が統一されています
㎡を表記したうえで、畳だったり坪だったりの表記を使うことはありますが。
現代において、「畳」や「坪」の表記を取引で使うことは禁止されているからです。
もともと畳の大きさを測るのに使われていた「尺」という単位。
これは江戸時代あたりに使われていた「尺貫法」の名残になります。
お寿司の数え方でも出てきましたね。
https://mudarich.com/2714.html
「尺」は長さ表す単位、「貫」は重さを表す単位です。
1尺の長さは「30.3cm」
その1/10の単位が「寸」、さらにその1/10の単位が「部」となっています。
まとめるとこんな感じ
・1尺=30.3cm
・1寸=3.03cm
・1部=0.303cm
しかし1958年より、尺貫法の単位を取引や証明に使うことは、計量法によって禁止されています。
そのため、尺を使って算出された「畳」、さらにその畳を2倍した「坪」の表記も、広告などには使われなくなったのです。
それでも、昔からの伝統的な単位として、計量法の対象にならないところではまだ使われることがあります。
テレビで部屋の紹介をするときなんかは、普通に使われていますよね。
広大な土地を紹介する時も、何百㎡といわれるより何百坪といわれたほうがインパクトもありますし。
単位がいろいろあるとややこしいですが、その裏にはいろいろな歴史が隠されているのですね。
あとがき
いまだ色々な単位が混同する部屋の広さの表記。
広告で使われるのは㎡のみですが、まだまだ伝統的な畳や坪の表記も残っています。
やはり古い時代から「家」が大切にされてきただけあって、人々の中に染み付いているのでしょうね。