皆さんはチーズの絵を描いてと言われたら、どんな絵を描きますか?
やっぱり三角形のチーズでしょうか?そこに穴も描き加えたら、もう誰が見てもチーズですよね。
昔からこのチーズの形がポピュラーだったような気がします。
ですがそのチーズの穴、実は最近になるまでその原因が解明されていなかったこと、ご存知ですか?
エメンタールチーズの穴の原因とは?
チーズといえば、あの穴がいくつもあいたチーズを思い浮かべる方は多いかと思います。
昔から漫画やアニメでは、穴の開いたチーズが良く描かれていました。
あの穴の開いたチーズは、エメンタールチーズです。
スイスのベルン北部、エメン渓谷近郊、エメンタール地方で生まれたチーズですね。
クセが少なく、木の実のような香ばしい芳香が特徴。
チーズフォンデュでは欠かせないチーズです。
ですがこのエメンタールチーズ、歴史的には15世紀半ばごろに登場したといわれているのですが、
穴ができる原因についてはつい最近まで解明されていなかったのです。
いったい何が原因なのでしょうか。
エメンタールチーズの製造工程
まずエメンタールチーズの製造工程を見てみましょう。
エメンタールチーズは、温めた牛乳にプロピオン酸菌属を投入することで作られます。
ちなみに100kgのエメンタールチーズを作るのに、必要な牛乳は1000リットル。
牛乳をふんだんに使ったすごく贅沢なチーズなんですね。
話を戻しまして、牛乳とプロピオン酸を混ぜ合わせたあと、固形成分を分離。
そして形成したのち、発酵の工程に入ります。
エメンタールチーズには発酵の工程が2度あるのも特徴的で、
1度目は18~20度で2週間
2度目は20~23度で4週間
ほどの時間をかけて作られていきます。
そして熟成期間が終わり、円盤状のエメンタールチーズが完成するのですが、、、
なんと完成時にはもうすでに穴が開いています。
いったいどのタイミングで開いていたのでしょうか。
2015年にようやくわかった穴の原因
エメンタールチーズの穴が開く原因としては、かつては炭酸ガスの気泡ではないかと推測されていました。
プロピオン酸が発行する際、炭酸ガスを発生させて、それが穴のまま残っているのではないかという説が主流だったのです。
ネズミがかじった説もありましたが、断じて違います(笑)
(ネズミは乳製品をほとんど食べないそうです)
では現在、どんな説が主流になっているのか。
搾乳した際に交じった干し草が原因ではないかと言われています。
牧場の牛から牛乳を搾ると、どうしても干し草が混ざってしまいます。
そしてその干し草の粒子が、発酵途中に発生する二酸化炭素と結合し、そこを中心にガスが溜まりやすくしているというのです。
実際に工場などの干し草が混入しにくい場所で製造されたチーズは、穴の数も大きさも減少するといいます。
この説が主流になったのは、なんと2015年のこと。
600年以上の歳月をかけ、ようやく解決したのでした。
あとがき
漫画やアニメで見慣れた穴の開いたチーズ。
ですがその穴の原因は、600年たってようやく解明されたのでした。
しかもその原因は干し草!穴の原因まで、自然の神秘だったんですね。