皆さんも日ごろからコーヒーをよく飲んでいるという方は多いかと思います。
この季節ならホットコーヒーですが、夏場ならアイスコーヒーもいいですよね。
季節によって違った楽しみ方ができるのもコーヒーの魅力です。
ですが少し前まで、インスタントコーヒーを作るならまずお湯で溶かす、というのが常識だったはず。
最近になって登場した「水に溶けやすいコーヒー」、いったいどういう原理なのでしょうか。
そもそもなぜ水は粉を溶かしにくいのか
どうして従来のインスタントコーヒーは水に溶けにくかったのでしょうか。
コーヒーだけじゃなくて、食塩や砂糖でも、やっぱり溶かすなら水よりもお湯というイメージですよね。
これには水が持つエネルギーが関係しています。
理科の授業で習ったと思いますが、水や食塩って分子の集合体ですよね。水はH2O、塩はNaClでした。
コーヒーや砂糖も同じように分子の集合体です。
そして、これらが水に溶けるというのは、それらの分子が水分子によって破壊され、目に見えなくなるほど小さくなるということです。
決して消えてなくなってしまうというわけではありません。
このとき、水分子は温度が高いほど活発に動いています。
そのため、水の温度が高いほどコーヒーや食塩の分子が破壊されやすくなり、溶けやすくなるということなんですね。
水に溶けやすいコーヒーの原理
では水に溶けやすいコーヒーというのはいったいどういった原理なのでしょうか。
これまでのインスタントコーヒーは、フリーズドライ製法で作られていました。
コーヒー豆を焙煎し、粉砕した後、一度熱いお湯で溶かしてコーヒー液を作ります。
そしてそのコーヒー液をマイナス40度で凍らせて、細かく砕いた後に乾燥させて完成です。
風味や香りが逃げないまま瓶に詰めることができ、インスタントでも新鮮なコーヒーを楽しむことができます。
一方で水に溶けやすいコーヒーは、スプレードライ製法で作られています。
コーヒー液を作るところまでは同じなのですが、そのあとコーヒーを霧状にして熱風を当て、水分だけを蒸発させてしまいます。
そうするとコーヒーの粉が出来上がるのですが、スプレードライ製法ではその粉をさらに粉砕!
これによって粉の中の空気が抜けきるのですが、そこからまた粉同士をくっつけて小さな粒子状にして、瓶に詰めているのです。
1度空気を抜いて再び粒子状に戻されたので、フリーズドライ製法のコーヒー粉よりも分子は壊れやすい状態になっています。
そのため、水に入れても溶けやすくなっているのです。
水に溶けやすいコーヒーは、新技術の開発によって実現できたのですね。
あとがき
これまでの常識を覆した水に溶けやすいコーヒー。
コーヒーのおいしさはそのままに、便利さだけが向上しているのは本当にすごいですね。
夏の季節には強い味方になってくれそうです。