皆さんは「青空文庫」をご存知ですか?
著作権の切れたものや、著者が同意した文学作品が、インターネット上で無料で公開されているのです。
しかも誰もが知る名作もラインナップされています。
今回は青空文庫を紹介していきましょう。
青空文庫とは
青空文庫には主に著作権が切れた文庫や、著者が公開に同意した文庫などを読むことができます。
その総数は約15000冊。
インターネットに接続できる環境さえあればだれでも蔵書に触れることができ、PCでもスマホでもOK。
しかもこれだけの名作が無料で読むことができるなんて、本当にすごいですよね。
本に関して言えば、著者の没後50年までは著作権が保護されています(2018年12月より70年に延長されました)。
なので青空文庫に貯蔵されているのは、明治~昭和当たりの文庫が中心となります。
夏目漱石や森鴎外、宮沢賢治、太宰治など、過去の名だたる文豪たちの作品が人気にとなっています。
ホームページにあるのはDLしてデータとして保存可能なテキスト版と、ブラウザからそのまま読めるXHTML版、スマホから読めるアプリ版などがあり、
登録や手続き不要で気軽に楽しめるという点もポイントです。
人気作品は「こころ」「雨ニモマケズ」
青空文庫で特に人気なのは夏目漱石の「こころ」だそうです。
2017年・2018年と2年連続で年間アクセス数(テキスト版)トップ。
私と先生、そして先生や友人K、お嬢さんらとの人間模様。
倫理観とエゴイズムの間にさいなまれる様子などを表現した不朽の名作です。
1914年(大正3年)に公開された作品で、新潮文庫版の発行部数は現在までに累計700万部以上。
日本で1番売れた小説としても知られています。
XHTML版はブラウザをそのまま使って読むためか、短めの作品が人気だそうで、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」がここ3年間アクセス数トップになっています。
この詩は宮沢賢治が闘病中に書かれたものとされており、人への思いやりを持った生き方を、対句を用いながら表現しています。
皆さんも学生の時にこの文章に触れたことがあるとおもいますが、実はこの文章のモデルになった人物がいまして。
その方は斉藤宗次郎さんという方。
この方はクリスチャンで、当時はかなりの迫害を受けていました。9歳の娘の命を奪われた過去もあります。
それでも、斎藤宗次郎さんは神に祈り続け、人を愛し、人のために働いたといます。
そういった背景を知ってから1度この詩を読むと、また違った思いになるのではないでしょうか。
古典作品や児童向けの作品も
もちろん他の名作も貯蔵されていて、
夏目漱石なら「吾輩は猫である」「坊ちゃん」「三四郎」、宮沢賢治なら「銀河鉄道の夜」「注文の多い料理店」
芥川龍之介の「羅生門」「蜘蛛の糸」、太宰治なら「人間失格」「走れメロス」「斜陽」などなど。
おそらくこのあたりの時代の有名どころはほぼすべてあるはずです。
他にも「ごん狐」や「手袋を買いに」など、小学校の時の教科書に載っていたような児童向けの作品、
「源氏物語」や「方丈記」、「徒然草」などの古典文学も取り揃えられています。
これら15000冊が無料で読めてしまうのですから、これを利用しない手はありませんよね。
お子さんがいる方は学校の予習用に青空文庫を奨めてみてもいいかもしれません。
あとがき
誰もが知る名作が無料で読めてしまう青空文庫。
15000冊もあって本好きとしてはうれしい限りですよね。どこから読めばいいか迷ってしまいそうです。
ぜひ皆さんも青空文庫で過去の名作に触れてみてください。