コーヒーには脳を覚醒させる作用があり、集中したいときや眠気に打ち勝ちたいときには強い味方になってくれます。
さらにそれ以外でも注目すべき健康効果があるのも見逃せませんね。
ですがその一方で、飲み過ぎてしまうとカフェイン中毒になってしまうリスクもあります。
コーヒーの1日の摂取量はどれくらいが目安になるのでしょうか。
1日のカフェイン摂取量の目安
コーヒーを飲む上で注意したいのがカフェインの摂取量です。
欧州食品安全期間が発表したデータによると、成人で1日400mgが「安全といえる1日当たりのカフェイン摂取量」だそうです。
だいたいコーヒー1杯が150mlだとすると、そこに含まれるカフェインは70~80mg。となると、1日5杯(750ml)ほどで目安量に達してしまうということですね。
また子どもの場合や妊婦・授乳婦の場合はまた少し変わってきます。
子どもの場合は1日に90mgまで、成人の4分の1が目安です。妊婦・授乳婦の場合は1日200mg、成人の半分となります。
カフェインを多く含む飲料
ただし、カフェインはコーヒーだけに含まれているものではありません。
緑茶やココア、コーラ、栄養ドリンクやエナジードリンクにも含まれています。食べ物だとチョコレートに多いですね。そして市販薬にも含まれていますので、十分に気をつけなければなりません。
日本人の場合、カフェインのほとんどを緑茶やコーヒーから摂っているといわれています。
普段からよくお茶もコーヒーもよく飲むという方は、カフェインの摂取量に気をつけなければなりません。
緑茶1杯150mlだとすると、そこに含まれるカフェインは30mgほどです。コーヒーよりは少ないですが、飲み過ぎには注意してください。
それ以外のカフェイン含有量をまとめると
栄養ドリンク:100mlあたり50mg
エナジードリンク:100mlあたり30~45mg
コーラ:100mlあたり8~10mg
チョコレート:100gあたり25~36mg
高カカオチョコレート:100gあたり68~120mg
となっています。
(市販薬のカフェイン量はそれぞれの薬の成分表を参考にしてください)
カフェインの過剰摂取に要注意
カフェインには軽い依存症があります。日常的にカフェインを摂取している方の中には、カフェインを摂らない時間が長く続くと、頭痛がしてくるという方もいるそうです。
そこまでは行かなくとも、短時間に多量のカフェインを取り過ぎることで、めまいや吐き気などがしたり、重度の場合は幻覚や幻聴、さらにはパニック障害になってしまうこともあります。
どちらかといえばコーヒーよりも、栄養ドリンクやエナジードリンクを短時間で飲み過ぎた、カフェイン錠剤を服用しすぎたという理由で症状が出てきたケースが多いようですが、くれぐれもカフェインの取り過ぎには注意してください。
コーヒーがもたらす効果
ですがコーヒーは適量を摂取すると、さまざまな効果をもたらしてくれます。
カフェインの覚醒作用
コーヒーの効果として代表的なのがカフェインの覚醒作用ですね。覚醒といっても急に何かしらの能力に目覚めるわけではなく、普段起きて活発に活動しているときの状態を「覚醒状態」といいます。
カフェインは脳内の「睡眠中枢」というところに働きかけ、脳を覚醒させてくれます。私たちの体は、疲れがたまってくると疲労物質がたまってしまい、それが脳の睡眠中枢に働きかけるので、眠気が起こります。
しかし、カフェインはその疲労物質が睡眠中枢に働きかけることをブロックしてくれるため、脳は覚醒状態となるわけです。
ポリフェノールの抗酸化作用
さらにコーヒーには健康効果もあります。
コーヒーに含まれるポリフェノールには高い抗酸化作用があり、老化の予防にもなるといわれています。
そもそも老化とは、体がサビ付いてしまうことをいいます。金属は酸化するとサビ付いてしまいますが、私たちの体も同じようにサビ付いていきます。
さび付いてしまう原因は、過剰に発生した「活性酸素」です。
活性酸素は強い酸化力を持ち、私たちの体をウイルスや細菌から守ってくれる重要な物質です。
ですが過剰に増えてしまうと、その強い酸化力が裏目となり、私たちの体をさび付かせてしまうのです。
体がさび付くと、目に見える変化としてはシミやシワ、白髪が増えてきたり、それ以外でも体調を崩しやすくなったり、ケガが治りにくくなったりと、さまざまな変化が表れます。
ですがポリフェノールに含まれる抗酸化作用によって、過剰に増えた活性酸素の働きを抑制し、老化を防いでくれるというわけです。
またこの抗酸化作用は老化だけでなく、生活習慣病や癌の予防にも繋がると近年の研究でわかってきました。コーヒーの健康パワー恐るべしですね。
コーヒーを飲むときの注意事項
砂糖やミルクは控える
健康目的でコーヒーを飲む場合は、ブラックで飲むことが前提です。
砂糖やミルクを入れたコーヒーをたくさん飲むと、糖分や脂肪分の過剰摂取となってしまいます。
特にコーヒー用のミルクは保存がきくように植物性油脂からできていることがほとんどですから。
砂糖やミルクを入れたコーヒーは、1日1杯までにしておきましょう。
空きっ腹に飲まない
空きっ腹でコーヒーを飲むのはあまり良くありません。
カフェインには胃液を分泌する作用があるのですが、空きっ腹の状態で胃液を分泌されてしまうと、胃が荒れやすくなってしまいます。
コーヒーを飲むときは、食べ物を胃に入れてからにしましょう。実は食後のコーヒーは理にかなっているのです。
あとがき
コーヒーにはたくさんの健康効果があります。日常的に飲めるもので、これだけの効果があるのはうれしいですね。
ただし飲みすぎたり、ほかの飲料などからカフェインを過剰に摂取したりしていると、カフェイン中毒になるリスクもありますので注意しなければなりません。
きちんと適量を守ったコーヒー習慣を作っていきましょう。