枕を北に向けて寝るのは縁起が悪いという話は、昔から良く耳にするかと思います。いわゆる「北枕」ですよね。

 

いったいなぜ縁起の悪いものとして扱われるようになったのでしょうか。

 

北枕の発祥はインドから

北枕には諸説あるのですが、もっとも有力な説は「釈迦が没したときに北を向いていた」という説です。釈迦といえば仏教の開祖、お釈迦様と呼ばれていますね。

そのお釈迦様が亡くなったことは仏教では「涅槃(ねはん)」と呼ばれています。その涅槃の際に釈迦が頭を北に腹を西向きにして横になって亡くなった(「頭北面西」)ことから、北枕の風習ができるようになりました。

その後インドでは人が亡くなると、釈迦と同じ極楽往生へいけるように死者の頭を北に向けて寝かせるという風習が広まります。

しかし、日本へそれが伝わった際は「生きている人は北を向いて寝るべきではない」という解釈になり「北枕は縁起が悪い」という話になって広まったのです。

 

実は健康に良い北枕

ですが、最近では北枕を気にする方も少なくなってきました。実際のところ単なる迷信ですので、体に悪い影響が出るというわけではありません。

むしろ、北枕は体にパワーを与えてくれるという話もあります。

 

地球には磁気があります。いわゆる「地磁気」ですね。そしてこの地磁気、実は南から出て北から入っています南がN極北がS極、理科の実験で使うような磁石とは真逆なんです。

地球の磁気が南→北と向かっているからこそ、方位磁石が正しい方向を示してくれるわけですね(方位磁石のN極と地球のS極が引き寄せ合うため)。

そして北に頭を向けて寝ると、地磁気の流れと体の方向がちょうど一致するため、血行も良くなり寝付きが改善されるといいます。

 

寝る方向を変えるだけで寝付きが良くなるなんてなんとも信じがたい話かもしれません。ですが地磁気は実際に地球の周りを流れているものです。

そしてその規模は私たちの想像を遥かに超えるくらいに大きいはず。なにせ地球規模ですから。私たちの体に何かしらの影響を与えていてもおかしくはありません。

寝付きの悪さに悩まされている方は、ぜひ1度お試しください。

 

北枕は風水的にも良い方向とされている

実は風水的にも北枕は良いと言われています。風水では睡眠中は運気をため込むための時間なのですが、北を向いて寝るのがもっとも運気がたまりやすいのです。

風水では気は北から南へ向かっています。地磁気とは反対ですね。頭を北の方向に向けて寝ることでエネルギーが自然と体内に取り込まれていき、運気が上昇していくといいます

ずっと悪いイメージがつきまとっていた北枕ですが、さまざまな面から見ても良い方角なのですね。

他の方角で寝ると?

北以外の方角はどうなのでしょうか。

 

南枕は、枕とは反対にあまりおすすめされていません。磁気の流れと真逆を向いているため血流が悪くなってしまうそうです。

風水的に見ても、南枕はあまり良くないとされています。南はエネルギーが行き着く場所なのでたくさんのエネルギーにあふれているのですが、それだけにゆっくりと寝るには不向きな方角とされています。インスピレーションが冴え渡る方角ですので、クリエイティブな活動をするにはピッタリの方角ということですね。

 

東枕だと早起きの効果があるそうです。東は太陽が昇ってくる方角であるため、日の出とともにすっきりと起きられると言われていますね。風水でも東枕は向上・成長を促すとされている方向ですので、エネルギッシュに日々を過ごしたい方におすすめの方角です。

 

反対に西枕はしっかりと熟睡するときに効果があると言います。東とは逆に日が沈む方角ですから、ゆっくりと寝るにはピッタリの方角だそうです。風水的にも、西枕は落ち着きたい・しっかりと物事を考えたいという方におすすめの方角となっています。

 

あとがき

たしかに北枕は縁起が悪いと昔はいわれていました。ですが現在ではむしろ健康的な方角として知られています。

他の方角にもいろいろな言い伝えがあります。寝る方向を変えるだけで寝付きや運気まで変わってくるなんてなんとも信じがたい話かもしれませんが、気分を変える意味でも1度試してみてはいかがでしょうか。