ハチミツとメープルシロップ、なんだかすごく似ていますよね。
元をたどれば全く違うものなのに、あれだけ同じ風味になるってすごいと思います。
とはいえ、風味以外の栄養分なんかについては何か違いがあるのでしょうか?
それにハチミツは乳児に与えられませんが、メープルシロップは大丈夫だったりするのでしょうか?
ハチミツとメープルシロップは何が違う?
ハチミツとメープルシロップ、風味はすごく似ていますよね?
ですが元をたどっていくと、全く違うものなんです。
ハチミツはミツバチが花の蜜を採集してきて、それをハチたちが巣の中で蓄えているものです。
市場に流通する時も、花粉や巣の破片などの異物を取り除いたりはしますが、ほとんど人の手は加えられません。
まさに天然の甘味料というわけですね。
(安価なハチミツには砂糖が加えられたりしていますが)
一方でメープルシロップは、カエデの木の樹液を採取して、それを煮詰めたものです。
日本ではサトウカエデ、英語でもシュガーメイプルと呼ばれる種類のカエデは、非常に糖度の高い樹液が出るのが特徴。
やはり天然の甘味料として親しまれています。
原産地は7割~8割がカナダのケベック州で、それ以外だとカナダのオンタリオ州、アメリカのニューイングランド地方など。
日本でも埼玉県秩父市や山形県金山町などで製造されていますが、日本のカエデの樹液はあまり糖度が高くなく、全国に流通するには至っていないみたいです。
ハチミツはビタミン・メープルシロップはミネラルが豊富
ハチミツとメープルシロップ、風味は似ていますが成分はどうなのでしょう?
いずれも主成分は糖分ではあるのですが、その含有量や他の成分などを見てみると、細かい違いがあります。
糖分の割合を見てみると、ハチミツは100g中80gもの糖分を含んでいるのに対し、メープルシロップは60gにとどまります。
甘みの強さで言えばハチミツの方が上ですね。
ですがその分、メープルシロップの方がカロリーが低かったり、GI値(血糖値上昇指数)が低かったりするので、気軽に食べやすいというメリットがあります。
さらに細かい成分を見ていけば、ビタミン類はハチミツの方が豊富です。
ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンC・ビタミンK
他にも葉酸やパンテトン酸、ピオチンなどを含んでいます。
一方でメープルシロップはミネラルが豊富。
カルシウムやマグネシウム、鉄分、カリウムなどは、ハチミツ以上の含有量を誇ります。
成分で比べてみても、お互いに引けを取らないみたいですね。
メープルシロップは赤ちゃんにあげて大丈夫?
さてハチミツには要注意事項として乳児に与えてはいけないという点があります。
似たような風味を持つメープルシロップは大丈夫なのでしょうか?
結論から言えば、メープルシロップは乳児に与えてもOKです。
ハチミツがNGなのは、ボツリヌス菌を含んでいる可能性があるからです。
大人の体内に入っても特に影響はないのですが、乳児の場合は腸内細菌の数が少なく、ボツリヌス菌は脅威になってしまいます。
そのため、1歳になるまでハチミツを与えるのはダメと言われているのですが…
メープルシロップにはボツリヌス菌が入っていないため、乳児に与えても問題はありません。
アレルギーも比較的起きにくい食品だと言われています。
10か月以降から、離乳食にちょっとずつ混ぜていくと良いでしょう。
ただし甘みが強すぎるのでいきなり大量のメープルシロップを与えるのはNGです。
また純度100%のメープルシロップではなく、メープル“風”シロップも数多く出回っていることに注意してください。
さすがにボツリヌス菌は入っていないと思いますが、必要以上に糖分を取りすぎてしまう可能性があります。
メープルシロップは傷みやすい
またハチミツと違い、メープルシロップは普通に傷んでしまうことにも注意してください。
ハチミツは水分の含有量が低く、高い抗菌作用・抗酸化作用があるため、放っておいても傷みにくいです。
一方でメープルシロップは水分量も多く、抗菌作用もハチミツほど高くないので、長く保管しているとカビが生えてしまうこともあります。
保存という観点から見ると、ハチミツの方が圧勝ということですね。
あとがき
親戚かと思うほど、風味が似ているハチミツとメープルシロップ。
ですが細かく見ていくと、それなりの違いがあるものなのですね。
とはいえ、どちらが良いかは最終的には好み次第です。お好きな方をお使いください。