昔ケガをした箇所の傷跡がずっと残っていることってありますよね。
皮膚の他の部分と比べてもすごく目立つし、なによりずっと治りません。
どうしてずっと跡が残ってしまうのでしょうか、そして対処法はあるのでしょうか?
どうしてケガの跡が残ってしまうの?
昔、ケガをした時の傷跡がずっと残ってしまっている、そんな悩みはありませんか?
傷跡が残るというよりは、傷は治ったのにその場所の皮膚だけが変質しているような感じというべきでしょうか?
あきらかに他の皮膚と違っていて、なんだか気になりますよね。
私も手にずっと跡が残ってしまっています。
個人的にはそれほど気はしていないのですが、目立つ場所に跡が残ってしまうと最悪。
この跡はいったいどうして残ってしまうのでしょうか?
「傷が治る=跡が残らない」わけではない
ご存知のように、擦り傷にしても切り傷にしても、ケガをすればまずかさぶたが作られ始めます。
血小板の働きによって傷口を接着、そして凝固することによって止血を試みます。
その後、血小板が空気に触れることにより、血餅を形成。傷口をふさぎます。
そしてこのかさぶたは傷口が治ると自然にはがれていくのですが…
かさぶたができてから傷が治るまで、いくつかの段階があります。
まずかさぶたの中では、白血球の働きによって傷口の殺菌や、傷ついた細胞の排除が行われます。
さらに時間がたっていくと、その場所に毛細血管が多く通った組織(肉芽組織)を作ります。
この肉芽組織は毛細血管が多く通っているだけあって、少しピンク色を帯びているのが特徴。
そしてこの肉芽組織の表面に皮膚が再生して、皮膚表面の傷口も塞がっていき、かさぶたもはがれていきます。
しかし傷口が完全にふさがっていても、皮膚がすぐに元通りのきれいな状態になるわけではありません。
かさぶたが取れた直後の皮膚は、まだピンク色を帯びた状態が続きます。
これを「瘢痕(はんこん)」といい、これこそが皮膚表面にずっと残り続ける跡の正体です。
目立つ瘢痕には要注意!
瘢痕は本来、時間の経過とともに通常の皮膚に置き換えられ、目立たなくなります。
しかし傷口が深い(皮膚の奥にある真皮にまで至っている)場合、瘢痕組織がそのまま残ってしまうことがあるのです。
ニキビでも無理につぶしてしまうと、傷口が真皮にまで至ってしまい、跡として残ってしまいますよね。
この場合、瘢痕は時間の経過とともに薄くなってはいくものの、完全に消えることはありません。
皮膚のその場所に、永久に残り続けます。
つまり跡が残りやすい傷は、大きさよりも深さがかかわっているということですね。
擦り傷よりも、切り傷の方に気を付けたいところです。
また瘢痕は皮膚組織とは異なる性質を持ち、例えばそこに体毛が生えることはありません。
それだけならいいのですが、紫外線による色素沈着も起こりやすく、日焼けするとそこだけ他の皮膚と違った色に沈着してしまうことも。
そうなると余計に瘢痕が目立ってしまいます。
クリニックなどで治療は可能ですが、色素沈着が起きないよう、紫外線には注意しましょう。
あとがき
瘢痕はずっと消えることはなく、そのまま残り続けてしまいます。
普段から切り傷に気を付けるのはもちろん、傷が治った後も日焼けには注意したいところです。