皆さんはカレーは一晩寝かせる派ですか?
一晩寝かせたカレーが美味しいということは、昔からよく知られたことかと思います。
ですがネットでは実は一晩寝かせると美味しくなるなんて嘘という話も見受けられますし、本当のところはどうなのでしょうか。
カレーは一晩寝かせると美味しくなるのは本当か?
「カレーは一晩寝かせると美味しくなる」
誰が言い出したのか分かりませんが、ずっと昔から知られた知識ですよね。カレールーのCMでもよく使われるフレーズかと思います。
カレーって子供も大好きですし、一晩寝かせて美味しくなるんだったら喜んで作り置きするってもんですよ。
子供を持つお母さんも大助かりです。
とはいえ、実際のところ一晩寝かせただけで本当に美味しくなっているものなのでしょうか。
ネットでは一晩寝かせると美味しくなる説は嘘という話も出てきています。
また食中毒にも要注意という注意喚起も目立ちますね。
カレーを一晩寝かせると美味しくなるという話は、本当なのでしょうか。
カレーは一晩寝かせると美味しくなる
カレーを一晩寝かせると美味しくなるという説
まず科学的なところから見ていくと、一晩寝かせたカレーはうま味もコクもアップしているそうです。
カレーの中にはお肉に野菜に、たくさんの具材が入っています。
それらに味がしっかりとしみ込んでいるのはもちろんなのですが、
そこに含まれているタンパク質やアミノ酸がカレー中に溶け出し、更なるうま味を与えているのです。
さらにカレーの具材としてもよく使われるジャガイモはかなり優秀。
一晩寝かせている間にジャガイモに含まれる澱粉が溶け出し、さらにとろとろなカレーに仕上げてくれるのです。
たしかに片栗粉って澱粉ですからね。
一晩寝かせることで、より味わい深いカレーが出来上がります。
スパイシーなカレーは寝かせると風味を損なう
その一方で、スパイスをしっかりと効かせたカレーは一晩寝かせるのに不向きだといいます。
本格カレーはスパイスの新鮮な香りが命。
クミン、ターメリック、コリアンダー、刺激的な香りが鼻を通りぬける感じが、なんともたまりません。
しかしながらそういったカレーを一晩寝かせてしまうと、スパイスの新鮮な香りは楽しめなくなってしまいます。
たしかにまろやかにはなるんですが…
スパイシーな本格カレーを求めている人には物足りない味になるのではないでしょうか。
といった感じで家庭用のカレーであれば、一晩寝かせれば美味しくなるのは事実です。
ですがスパイスの香りが生命線となるような本格的なカレーだと、その魅力がたちまち失われてしまいます。
美味しくなる、美味しくならないは、カレーのタイプによって変わってくるんです。
一晩寝かせるときの注意点
またカレーを一晩寝かせる行為には、食中毒の危険性も指摘されています。
その原因となるのがウェルシュ菌。
人や動物の腸管内、自然界でも土壌や水中にいる菌で、決して珍しい存在ではありません。
問題は一晩寝かせることでウェルシュ菌が発芽・増殖してしまう恐れがあるということです。
ウェルシュ菌は熱への強い耐性を持っており、100度に加熱されても死滅することはありません。
さらに43~46℃の温度帯でもっとも動きが活発になり、発芽・増殖を始めてしまうのです。
増殖したウェルシュ菌は、腹痛や下痢の原因になってしまいます。
もちろん一度増殖したウェルシュ菌は、再加熱しても死滅することはありません。
火を通せば大丈夫というのは、ウェルシュ菌には当てはまらないのです。
なのでカレーを一晩寝かせる場合は、常温保存は絶対に避けるべきですね。
基本的には冷蔵保存、ウェルシュ菌が増殖を始める43~46℃の温度帯を素早く通り過ぎてしまうのがポイントです。
出来上がったカレーの粗熱を素早くとり、タッパーなどに小分けして冷蔵庫で保管してしまいましょう(鍋のまま保存するのもあまり良くありません)
そして冷蔵保存したカレーは、できれば翌日まで、長くても2~3日以内に食べきってください。
冷凍保存すればもっと長い期間保存できますが、冷凍だと野菜の細胞がつぶれて食感が悪くなってしまう恐れもあります。
ジャガイモやニンジンは取り除いて保存するか、つぶしてマッシュ状にしてから保存するのがおすすめです。
あとがき
カレーは一晩寝かせると美味しくなるというのは、カレーのタイプによって少し事情が変わってくるみたいです。
ですがまろやかでコクのあるカレーが好みだという人には、一晩寝かせたカレーがきっとベストマッチします。
食中毒には気を付けなければなりませんが、上手に寝かせて美味しいカレーを召し上がってください。