ケガや加齢によって、膝などの関節に水が溜まってしまうことがあります。
膝に水が溜まりやすく、定期的に抜いてもらっているという方もいるかもしれません。
ただ一般的には「水」と呼ばれている液体ですが、いったい何者なのでしょうか。
普段私たちが飲んでいるような水が関節内に溜まることなんて考えにくいですし。
この水の正体はいったい何なのでしょう。
関節に溜る「水」とは
身体の関節の中でも、特に膝は水が溜まりやすいといわれています。
スポーツ中のケガの影響だったり、あるいは単純に加齢による影響だったり。
考えられる原因は様々なのですが、関節にたまる「水」とはいったい何なのでしょうか。
まさか普段飲んでいる水と一緒であるとは考えにくいですし。
関節に溜まる水の正体は、「関節液」です。
関節内には数ccほどの関節液が存在しており、関節を保護したり軟骨へ栄養を送ったりしてくれています。
関節液が存在しないと、関節を動かすたびに軟骨が摩擦ですり減っていってしまうほど、重要な役割を持っているみたいです。
水が溜まる=関節液が異常増加している
この関節液は普段「滑膜(かつまく)」で生産され、分泌・吸収を繰り返しながら常に適切な量が関節内に補充されています。
ですが関節の炎症などが起きると、関節液の分泌量が異常に増えてしまいます。
これが「水が溜まる」状態です。
しかし増加した関節液は粘り気が失われており、潤滑油的な役割ができません。
関節を動かしたときに動きが重かったり、ダルい感じがあるのはそのせいですね。
また関節周辺が腫れたりなど、見た目からわかるような影響も出てきてしまいます。
膝に水が溜まるとどうなる?
本来は炎症が治まると、増加した関節液もまた適量に戻っていきます。
しかし関節液増加の根本的な原因が解決できなければ、関節液はずっと溜まったままです。
この状態で放置すると、軟骨がすり減ってきてしまい、痛みが出てくることもあります。
次第に膝を曲げられなくなったり、歩くことすらままならない状態になってしまうことも。
そのため、関節に溜った水を抜く治療が行われるのですね。
関節の水を抜くことで、関節の重たい感じやダルさが軽減され、また快適に動かすことができるようになります。
それに抜いた水を調べることで、関節液が増加している原因も特定することもできます。
水が溜まる原因としては、「外傷」や「変形関節症」の他にも、「関節リウマチ」「痛風」「化膿性関節症」など様々ですから。
もし関節に痛みがあったり、なんだか動きが重いと感じることがあれば、すぐに医療機関に相談してみてください。
関節の水を抜くと癖になる?
また関節の水を抜くとクセになりやすい、つまりまた水が溜まりやすい状態になるという噂もありますが、
実際のところそういった事実はないみたいです。
関節に水が溜まっても、その原因が解決できれば水の量は適切に戻ります。
反対に原因を解決できなければ、水を抜いてもまた溜まっていきます。
なので「1度水を抜くとクセになる」ということではなく、単に関節の状態が改善されないから再び水が溜まっていくということみたいです。
あとがき
関節に溜る水の正体は「関節液」でした。
しかし水が溜まるというのは、関節に異常が起きている証拠です。
すぐに医療機関を受診し、その原因を特定するようにしましょう。