最近海の生物について調べていたのですが、その中でふと気になったことがあるんです。
イルカとシャチって何が違うんだろう?
どちらも水族館のショーなどで親しみのある動物ですが、その違いについて細かくは知りません。
この2種、いったい何が違うのでしょうか?
イルカとシャチの違いとは?
イルカとシャチ、いったい何が違うのでしょうか?
同じ海の哺乳類であり、見た目もすごくよく似ていますよね?
特にフォルムに関しては全く同じなんじゃないかとすらも思えます。
カラーリングに関しては、シャチの方が白と黒のコントラストが強い感じでしょうか?
ただイルカは種類によっては全体的に黒っぽかったり、ピンク色のイルカもいたりしますが、
その中でもマイルカなんかはカラーリングも含めて、シャチと似ていたりします。
他にもどちらも高い知能を持っているといわれていたり、仲間とコミュニケーションをとることができるともいわれていたり。
イルカとシャチ、実は親戚同士か何かなのでしょうか?
実はどちらもクジラ目
実はイルカもシャチも、種族の系統をたどっていけばどちらもクジラ目に属しています。
クジラ目は大きく分けて「ヒゲクジラ亜目」と「ハクジラ亜目」に分類されますが、
イルカやシャチが属しているのは「ハクジラ亜目」の方。
このハクジラ亜目の中に「インドカワイルカ科」や「マイルカ上科」などがあり、イルカはクジラの仲間であることがうかがえますね。
そしてマイルカ上科→マイルカ科とたどっていった先に、シャチ亜目が属しています。
つまりクジラという大カテゴリがあって、その中にイルカという中カテゴリがあり、
シャチはそのイルカの中の小カテゴリの1つということになります。
イルカもシャチも元をたどればクジラだったんですね。
確かにクジラも海の哺乳類。
イルカ・シャチと姿が似ているわけではないですが、みんなまとめて仲間だったんです。
イルカとシャチの具体的な違い
イルカもシャチも仲間だということはわかりましたが、種族としての違いは何でしょうか。
共通点ばかりでなく、異なる点だっていくつかあるはずです。
もっとも顕著なのは、体長でしょうか?
イルカのほとんどの種族は4m未満の体長であるのに対し、シャチは5~7mとやや大型です。
クジラほど巨大ではありませんが、イルカより大きいのがシャチと覚えておくといいでしょう。
またシャチの場合は目の上に「アイパッチ」と呼ばれる白い模様があるのも特徴です。
イルカもシャチも白黒なイメージがありますが、このアイパッチはシャチだけに見られるものとなります。
そして何より狩りの技術がすごい。
実はシャチ、海洋系で食物連鎖の頂点に立つ存在です。
アザラシやホッキョクグマなどの中型の動物のみならず、自分より体の大きなクジラに襲い掛かることもしばしば。
しかも群れで挟み撃ちをしたり、氷の下から奇襲したり、あらゆる狩の手段を持ち合わせています。
それでいて天敵がいないって言うんですから、もう無敵ですよね。
(イルカは小魚や貝などが主食)
海のギャング、ダテじゃありません。
4つのタイプに分けられるシャチ
またイルカには様々な種が確認されているものの、シャチは現時点で1種しか確認されていなかったりします。
1種のシャチをAタイプ~Dタイプに分けてはいますが、分類学上は1種のみです。
Aタイプは流氷の少ない沖合に住み、主にクジラを主食としています。
Bタイプは流氷のある沿岸部に住み、クジラの他にもアザラシやペンギンなどを餌としています。
私たちのよくテレビで見かけるシャチはBタイプでしょうか?
流氷をもろともせずに、アザラシに襲い掛かるシーンの迫力たるや、すごいですよね。
そしてCタイプはBと同じく流氷のある沿岸部に住んでいますが、餌としているのは主に魚。
群れをつくってタラなどを捕食しているようです。
体長もBに比べるとやや小さく、学者の間では違う種として分類すべきではないかともいわれているそう。
最後のDタイプはA~Cと違って決まった海に生息せず、地球を周回しながら生きている変わったタイプです。
2004年以降に存在が提唱され、主に魚を食べているみたいですが、まだまだその生態系には不明点が多数あるとのこと。
このようにシャチは1種を4つのタイプに分けています。
しかもこの4タイプって、違うタイプ間で交配することはないですし、なんなら遺伝子も4タイプで異なっているそうです。
そう考えると、もはや完全に別種なのではないでしょうか?
今後は分類学上でも分けられていくようになる気がします。
あとがき
パッと見た姿がよく似ているイルカとシャチ。
どちらも海の哺乳類であり、しかも系統をたどっていけばどちらもクジラでした。
ただシャチにはまだわからないことも多数あり、これからもっといろいろな違いが見えてくるかもしれません。