インターネットの普及もあって、最近は私たちの身近な存在となってしまった詐欺。
許されざる行為には間違いないのですが、その語源を知ると意外と興味深いことがわかってきました。
詐欺は鳥の「鷺(さぎ)」からきていると思ったのですが、実は「兎(うさぎ)」の方が語源だったのです。
今回は詐欺の語源を詳しく調べてみました。
これ以上はない漢字が充てられた詐欺
いまや身近なところから私たちの生活を脅かしている詐欺。
インターネットの普及に伴って、いろいろな詐欺が生まれましたよね。
正しい知識を持って、騙されないように注意しなければなりません。
そんな行為としては許されない「詐欺」ですが、言葉としてはかなり綺麗だとは思いませんか?
詐…いつわる
欺…あざむく
いずれも嘘をつく、人をだますという意味が含まれていていて、これ以上はないくらいの漢字の充てられ方ですよね。
しかもそんな詐欺の語源を調べていると意外なこともわかりました。
ずっと詐欺は鳥の「鷺(さぎ)」が語源だと思っていたのですが、実は「兎(うさぎ)」が語源だというのです。
いったいどのような由来なのでしょうか。
詐欺の由来は因幡の白兎?
詐欺の由来となったのは「因幡の白兎」というお話です。
題名だけなら知っている方も多いかもしれませんね。
この因幡の白兎、白ウサギがワニザメに嘘をつき、ひどい目にあってしまうというお話です。
もともと以前から白ウサギのことを「さぎ」と呼んでいたため、人を欺くことを「詐欺」と呼ぶようになったのではないかといわれています。
もう少しこの因幡の白兎のストーリーを見てみましょう。
かつて、出雲の国に大国主神(おおなむぢのかみ)という神様がいました。
大国主神には80の兄弟がいたのですが、その中でも1番優しい神様だったといいます。
ある日、兄弟たちは因幡の国に八上比賣(やかみひめ)という非常に美しい髪がいると知り、結婚を申し込もうという話になりました。
大国主神も同行したのですが、他の兄弟の荷物持ちをさせられて列の最後尾に回らされます。
道中、皮が剥ぎ取られたウサギに出会いました。
大国主神はどうして皮をはぎ取られたのかとウサギに尋ねます。
ウサギは隠岐の島から海を渡りたいと考えていました。
そんなとき、海の中からワニザメが顔を出します。
ウサギはワニザメを使って向こう岸まで渡ることをひらめきました。
「僕の仲間と君たち、どっちの数が多いか比べっこをしよう」
ワニザメはこの勝負に乗り、向こう岸まで背中を出して並びます。
ウサギは数を数えるふりをしながら、ワニザメの背中を渡って向こう岸まで渡りました。
ですがワニザメが残り数匹というところで、策が成功したことにうれしくなり、思わずワニザメに嘘をついていたことをポロっと漏らしてしまうのです。
怒ったワニザメはウサギに襲い掛かり、皮を剥いでしまいました…
これを哀れんだ大国主神は、ウサギにこう伝えます。
「真水で体を洗い、蒲の花を摘んできてその上に寝転がりなさい」
ウサギは言われたとおりに体を洗って蒲の花の上に寝転ぶと、なんと再び毛が生えてきました。
そしてすっかり元の白いウサギの姿に戻ることができたのです。
ウサギの語源が鷺という話も
余談ですが、実はウサギ自体、鷺が語源じゃないかともいわれています。
ウサギは昔から食料としても狩られていて、その歴史は旧石器時代までさかのぼるといいます。
しかし時代によっては肉食が禁止されており、特に江戸時代は鳥以外の野生動物を肉食することはありませんでした。
ですがそんなとき、ウサギの肉を鷺の肉だと偽って食べていたのではないかという話があるのです。
確かにウサギって1羽2羽と数えたりしますよね。
それにもともとは兎は「ウ」の読みしかなかったのに、兎+鷺で「ウサギ」となったと言われても納得がいきます。
あくまで都市伝説的な話ではありますが、なんとも興味深い話ではあります。
あとがき
語源を調べてみると意外と興味深い詐欺。
もちろん詐欺行為は許されるものではありませんし、自分が被害にあわないよう警戒しなければなりませんが。
どこから魔の手が迫ってくるかわからないので、日々注意してください。