皆さんは小麦粉やココアがダマになってしまった経験ってありますか?
確かに適当に溶かすとダマになってしまうのですが、丁寧に作業してもダマになることがあって、少しイライラしてしまいますよね。
ダマになる原因はなんなのでしょうか、またどのような工夫をすれば回避されるのでしょうか。
小麦粉がだまになりやすい理由
小麦粉をダマにしてしまった経験、皆さんにもあるのではないでしょうか?
どんなに丁寧にふるいにかけても、水や卵、牛乳などと混ぜると、多少のダマができてしまうことってありますよね。
これはグルテンというが大きく関係しています。
小麦粉を水で混ぜるとタンパク質が変質して「グルテン」という物質になります。
粘性と弾力性を両方持ち合わせており、パンやケーキ作りには欠かせません。
グルテン同士が結合すると強固な網目状の膜を形成し、その膜が発酵ガスを外に逃がさないため、パンやケーキがふっくらと膨らむのです。
ですが、小麦粉のたんぱく質は少しの湿気でグルテンに変化してしまいます。そもそも袋の中にある時からダマができていることも多いです。
そんな小麦粉を水に溶かそうとしても、グルテンがさらに結合してしまい、余計にダマになってしまいます。
そのため、ふるいにかけて小麦粉をさらに細かい状態にして、少しずつ水になじませていくのです。
もし溶かす最中にダマになってしまった時は、裏ごしなどをしてとにかく粉を細かい状態にすると良いでしょう。
小麦粉以外もダマになりやすい!
小麦粉の他にもココアや粉末の緑茶なんかもすごくダマになりやすいですよね。
実は湿気以外にもダマになりやすい条件がありまして、それは「粒の大きさが均一でない」ということです。
粒の大きさがバラバラだと、それだけ隙間が多くなってしまい、その隙間に小さい粉が入り込むことによって固まりやすい状態ができてしまうのです。
小麦粉もそうですし、ココアや粉末の緑茶にも、そういった特徴があります。
「ダマにならない小麦粉」として発売されている商品では、小麦粉の大きさが均一になっているため、ダマになりにくいといいます。
ふるいをかけるのにも、粉の大きさも均一にそろえるという目的があったのですね。
粉によってはお湯で溶かせない
それでも、ココアや緑茶の場合はお湯で溶かせばいいだけの話です。
お湯は水よりも分子の動きが激しくなっているため、固まっていた粉も崩れやすくなります。
ですが粉によってはお湯で溶かせないことも多く…
例えば小麦粉をお湯で溶かしてしまうと、ものすごくベチャベチャになってしまいます。
これは小麦粉に含まれるでんぷんが糊のようになってしまうためですね。そのままこね続けると餃子の皮のようなモチモチとした食感の生地ができあがります。
お菓子やパンを作る場合は、水(あるいは牛乳や卵)の温度は人肌程度にとどめておきましょう。
他にも緑茶ではなく抹茶をお湯で溶かそうとしてもうまくいかないことが多いです。
抹茶は水と混ざると粘土状になってしまう性質があるため、粉の中でも非常にダマになりやすいのです。
茶こしで抹茶を丁寧にふるってから、茶筅でしっかりと混ぜなければ、いくらお湯で溶いてもダマになってしまいます。
実は抹茶を上手に点てるってすごく難しいことだったんですね。茶道が文化として発展する理由がよくわかります。
あとがき
粉がだまになりやすいのは、大きさが均一でないため湿気によって固まりやすいことが原因でした。
そもそも袋の中で固まっているので、しっかりとふるいにかけなければなりません。
丁寧な作業こそが、美味しい料理への第1歩みたいです。