ワインで有名なのはまずはフランス、イタリア、そしてドイツやスペインも外せません。最近は日本の国産ワインも注目されていますが、大きな範囲での普及には至っていません。

 

個人的にはアメリカ(カリフォルニア州)のワインもおすすめですが、やはり高いコスパを誇るのがチリワインです。今回はその理由とおすすめチリワインをご紹介します。

 

チリワインがおすすめな理由

チリワインの歴史はフランスと綿密な関係にあります。ワインの原料となる葡萄の木は初めはスペインから苗木が持ち込まれましたが、1818年にスペインから独立後、チリワインは大きく発展していくことになります。

 

19世紀後半のヨーロッパでは、フィロキセラという害虫が大きな問題となっていて、多くのフランスのワイン醸造家がチリに渡ってきました。

 

理由は地形学的にもチリは害虫の影響を受けにくく、葡萄の木の栽培に向いていた事が挙げられます。後にヨーロッパの葡萄の木はフィロキセラによって壊滅的になりますが、耐性の強いアメリカ系の木を台木にして復活を果たします。

 

こういった経緯から見ると、現在チリの葡萄の木はフィロキセラ以前のフランスから持ち込まれたものなので、フランスの葡萄の原種が今も栽培されている事になります。

 

現在で唯一味わえる純粋なヨーロッパ系の品種である事は実はあまり知られていません。そんなありがたいチリワインが安価で手に入るのは嬉しい事ですね。

 

チリワインの安さの秘密

チリワインはコストパフォーマンスが非常に高い事で知られています。しかも品質も高く、ブラインドテイスティングではヨーロッパの有名シャトーよりも高評価を獲得する事は珍しくありません。

 

日本でも一時期のワインブームが落ち着き、ブランドや価格よりも実際の味で評価される傾向になってきましたが、そんな中でチリワインの評価とコストパフォーマンスは大きく見直されています。

 

チリワインは高い評価のものでも比較的安価で手に入れる事ができます。その理由はまず為替でしょう。ヨーロッパに比べると当然為替の面では有利で、今後も安価で良いワインが輸入されると予想されています。

 

チリワインの高コスパのもう一つの理由は現地の法律にあります。フランスやイタリアなどの先進国では、ワインの産地や製法に厳しい法律があり、なかなか革新が起こりにくい環境にあります。効率や発明よりも伝統的なルールが優先されてしまうのです。

 

少しずつ進化はしていますが、法律の改正にも時間がかかり、今でも現代では非効率な伝統を守らなければ産地やランクというブランドが付きません。これらを度外視して醸造したものは低ランクのテーブルワインという格付けになりますが、時にテーブルワインが品評会で高評価を獲得してしまう理由ともなっています。

 

一方、チリではこういったヨーロッパレベルの厳しい法律で縛られる事はなく、日々革新が起こっている事がチリワインの高コスパの理由となっています。フランスの美味しいテーブルワインを探すのも楽しいですが、日本ではあまり手に入らない事も多いのが残念です。

 

同様の理由からアメリカ(カリフォルニアワイン)やオーストラリア、南アフリカなどの第三国も注目ですが、やはり全体的に高品質なチリワインがおすすめです。

 

 

おすすめチリワイン4選

チリワインは基本的にどれも一定の高いコスパを誇ります。中でもおすすめなものをご紹介しましょう。

 

テラ・マター・アルタム・メルロー(赤)

このワインは市場価格で20万円以上もするフランスの超高級ワイン「ル・パン」にブラインドテイスティングで勝ったというワインです。日本でもテレビの格付け番組で登場しました。「この味なら20万円でも買う」と衝撃の評価でした。このワインは実は2000円台で手に入ります。チリワインを語るならまずは絶対に手に入れていきたい1本。プレゼントにも良いですね。

 

・カサ・デルセロ・レゼルヴァ・カベルネ・ソーヴィニョン(赤)

こちらもチリワインならではの高コスパな1本です。チリ産の赤ワインの中でも高い評価を得る「カベルネ・ソーヴィニョン」というブドウ品種を使用しています。

 

これぞチリワインと言った味わいを楽しむ事ができます。ムートンやオーパスワンといったプレミアムワインを作り続けた醸造家が最高のチリワイン造りに挑戦し、なんと1000円台で買う事が出来ます。

 

・カサ・デルセロ・レゼルヴァ・カベルネ・ソーヴィニョン(白)

チリワインと言えば赤ワインを想像する人も多いですが、実は白ワインも高コスパです。特にシャルドネというブドウ品種の評価は高く、フランス産に全く引けを取りません。

 

こちらのワインは先ほどの赤ワインと同じ醸造家のもので、1000円台で手に入れる事ができます。赤と白のセットで常備しておくのも良いかもしれません。急な来客をもてなす際に大活躍でしょう。間違いのない1本です。

 

・バルディビエソ・ブラン・ド・ブラン(スパークリング)

シャンパンやスパークリングワインは少々値が張るものが多いのですが、チリ産では高品質で安いものがあります。このスパークリングワインは通常の「ブリュット」よりも高いランクなのに価格は2000円ほどです。僕もよく購入するスパークリングワインで、泡がしっかりしていながらも味わい深く、超おすすめの1本です。

 

 

あとがき

チリワインといえば「安物」という声を昔から聞きますが、安物ではなく高コスパである事を紹介しました。最近ではブランドや価格ではなく味で評価される傾向にあり、一時期流行した「パーカーポイント」のような評価が絶対ではなくなってきているので、自分の好みのものを堂々と選べる環境になってきたのは嬉しい限りです。この機会にチリワインの美味しさを堪能してみてはいかがでしょうか。