みなさんは学生のころ、ご飯を食べた後に運動してわき腹が痛くなってしまった経験ってありますか?
全力で走れない痛みに襲われて、ちょっと大変ですよね…
ですがどうして食後の運動でお腹が痛くなってしまうのでしょうか?
体調が悪いわけでもないのに、不思議ですよね。
脾臓が原因説
実は食後の運動でお腹が痛くなる原因には諸説あるのですが、もっとも有力なのは脾臓(ひぞう)が原因という説です。
脾臓というのは左わき腹にある造血・リンパ器官のことです。
五臓六腑の五臓(肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓)の中でも、1番馴染みのないところかもしれませんね。
血球(赤血球・白血球・血小板)の生産や処分、血液の貯蔵などを担当しています。
さてこの脾臓なのですが、食事をすると小さくしぼんでしまいます。
食事をすることで胃や腸で血液が必要になるため、脾臓にため込まれた血液が使われるからです。
しかしそんな状態で激しい運動をすると、今度は筋肉に送り込むための血液も必要になってしまいます。
そうすると脾臓が過剰に働くことになり、それが痛みとして出てきてしまうのです。
ちなみにこの場合、必ず左わき腹が痛くなります。
もし痛みが出てきてしまった際は、運動強度を少し弱めるか、十分な時間を取ってから運動を再開してください。
横隔膜が原因説
脾臓の他には横隔膜が原因という説があります。
激しい運動をすると、当然ながら脾臓以外の内臓も大きく揺れ動くわけなのですが、とくに激しく動くのが肝臓です。
特に肝臓は体内の内臓の中でも最も大きく、成人男性だと1400~1600gほど(だいたい体重の1/50ほどになるといいます)。
なおかつ肝臓は靭帯を通じて横隔膜とつながっていまして、運動することで肝臓が揺れると、横隔膜も激しく揺れてしまうのです。
しかも運動時には大量の酸素を取り込まなければならず、そのための呼吸によっても横隔膜は激しく動いてしまいます。
肝臓に引っ張られる分と、呼吸の分。両方から激しい動きを要求されて、横隔膜に痛みが生じるそうです。
ちなみに横隔膜が原因の場合、脾臓とは逆に必ず右わき腹が痛みます(肝臓が右側にあるため)。
ただし食後に運動した時に限らず、普段運動していない人が急に運動した時にも痛みが生じたりすることもあります。
また痛くなった場合は、息が上がらないくらいまで運動のペースを落として、横隔膜を落ち着かせるようにしましょう。深呼吸なども効果的だそうです。
あとがき
食後に運動すると、お腹のあたりが釣ったように痛くなる現象。
あれは脾臓や横隔膜が原因ということでした。
いずれにしても食後に激しい運動は控え、十分な時間を取ってから運動するようにしてください。