目に良い食材といえば、やっぱりブルーベリーが最もおなじみかと思います。
ブルーベリーに含まれるアントシアニンが視力を回復させてくれるのは有名な話ですよね。
ですが実をいうと、この話は全くのでたらめ、本当はブルーベリーに視力回復効果はないなんて話もあるのですが、
はたしてどっちなのでしょうか。
ブルーベリーに視力回復効果はない
結論から言うと、ブルーベリーが目に良いという話は、半分が本当で半分が嘘です。
ブルーベリーにはアントシアニンが豊富に含まれ、その抗酸化作用によって疲労回復効果があることは間違いありません。
それが目の疲れを和らげてくれるという可能性はあります。
ですが「視力を回復させる」という効果に関しては、医学的には認められていません。
確かに目には優しいのかもしれませんが「目をよくする」という効果までは言い過ぎだということですね。
どうして間違った常識が広まったのか
なぜこういった話が広まってしまったのでしょうか。
それは第二次世界大戦中までさかのぼります。
あるイギリス空軍のパイロットが夜間に出撃したところ、しっかりと敵機を撃墜することに成功。
そしてそのパイロットは「夜の暗い中でも敵がよく見える」と発言していたというのです。
そこで彼の食生活を調べたところ、毎日ブルーベリージャムをパンに塗って食べていたことから、こういった話が広まりました。
ですが実際に夜間の出撃に一役買っていたのはニンジンだったといいます。
ニンジンに含まれるビタミンAは夜間視力を向上させるということは当時から知られており、特にパイロットたちにはニンジンを多量に食べさせていたそうです。
これは実際に現代の医学でも証明されており、夜盲症の治療にビタミンAが投与されていますね。
(人間は明るいところから暗いところに移動しても時間とともに目が暗闇に順応できるのですが、何らかの原因で順応できなくなってしまった状態を『夜盲症』といいます)。
しかしブルーベリージャムのエピソードだけが1人歩きしてしまい、それがテレビや雑誌などで広まってしまい、いつしか一般常識として認識されるようになりました。
本当に目に良い成分は?
また最近ではアントシアニンよりもルテインやゼアキサンチンといった成分の方が有効だといわれています。
この2つの成分は、目の黄斑というところに存在するカロテノイドです。
私たちが何か物を見ると、その映像は水晶体によって屈折し、それを網膜が受け取り、情報として脳に伝えられます。
そして黄斑はその網膜の真ん中付近に存在しており、物の詳細を区別する働きをしています。
網膜だけでは漠然としか判断できない情報でも、黄斑部の働きによって詳細な情報として脳に送ることができるのです。
しかし加齢によって黄斑に存在するルテインやゼアキサンチンの量が減ってしまい、だんだんと衰えてしまいます。
本や新聞の文字がだんだん読めなくなってしまうのはそのせいですね。
またこの2つは体内で生成することもできないため、食事などで補っていく必要があるのですが、なかなか必要量を摂取するのは難しいですね。
最近の視力サポートのサプリメントには、アントシアニンよりもこの2つが配合されていることも多いです。
どちらかといえば視力回復というよりも老眼の対策といった感じですが、気になる人はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
あとがき
ブルーベリーが目に良いということは今まで常識のように扱われていましたが、実際には視力を回復させる効果まではありませんでした。
ですが老化による視力低下対策の研究は進んでいるみたいで、ルテインを含んだサプリメントが多くなってきています。
目は人間にとって大事な部位ですから、いつまでも大切にしていきたいですね。